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中北音楽研究所とは?
偶然見つけた中北音楽研究所
そのころの、わたしは、趣味で動画を作っていました。
この動画にかかせないのがBGM(バッククランドミュージック)です。
なにげない普通の動画に、そのシーンに合った音楽をつけることで、
動画が活き活きとしてくるからです。

しかし、YouTubeのような不特定多数が見れる動画配信サイトで、音楽を使う場合、著作権というものが発生します。
つまり、自分が、どれだけ大好きだからといっても、勝手に他人の音楽を使うことができないのです。そこで著作権を気にすることなく使える音楽を探しました。

著作権フリーの音楽もたくさんあったのですが、やはり無料では、なかなかクオリティーの高いものは見つかりませんでしたので、有料で探すことにしました。

当然、楽曲を売っているサイトですので、視聴できるところがほとんどでした。
どのくらい探したでしょうか? おそらく500サイトは、比較したと思います。
どれも、それなりに良いものなのですが、なかなか自分が考えているような、
音楽には巡り合えませんでした。

もう、妥協して、とりあえず一番安いところから買おうかと考えていました。
ところが、そこに申し込む寸前に、ある検索ワードを思いついたんです。

『著作権フリー』+『音楽』という言葉に
『癒し』という単語を足したらどうだろうか?


この検索ワードで、検索すると、確か3番目くらいに出てきたと思います。
それが、中北音楽研究所という、サイトデザインは、素人が作ったような、
いかにも怪しい(失礼)サイトでした。

とりあえず、のぞいてみました。
なんだか、わかりずらいサイトだなぁと感じながら進んでいくと、
すぐに音楽が視聴できるページにたどり着きました。

「どうせ、ここもたいしたことないだろうなぁ」と期待せずに
 再生ボタンをクリックして音楽が流れた瞬間、、、

その時聴いた曲が、いったいどの曲だったのかは、いまでも思い出せません。
ただ、その曲の再生が始まった瞬間、時間が止まったような感じで、
聴いているだけで、なんだか昔の楽しい記憶が思い出される。
そんな、なつかしいような、それでいて切ない感情が湧いていました。

曲が終わると、いままで、起きている間中、ガヤガヤと騒いでいた、
そんな心の騒音が、いつのまにか消えてしまい。
うつ病になってから忘れていた、心の静けさのようなものが、
戻ってきた感覚でした。

気が付くと、首筋から背中にかけて、ぞくぞくするような感覚を覚えました。
後で、気になって調べてみると、それはチル反応と言うものでした。
人間は、心地よい音楽を聞いて気持ち良くなったときに、チル反応という、
首筋から背中にかけてぞくぞくするような感覚が起こるといいます。

さらに調べてみると、これは、脳波と関係があることもわかりました。
人間は、普段から様々な種類の脳波を出しています。

人間の脳波は大きく分類すると、↓こうなります。


この図のように、一般的によく知られているのは、リラックス状態のときに
人は、アルファ波を発生していると言われています。
さらに深いリラックス状態になると、シータ波というのを発生します。

さきほど話したチル反応というのは、シータ波と相互関係にあることが
研究の結果わかっていることを知りました。
つまり、シータ波が発生することで、チル反応が起こり、
チル反応が起こることでシータ波が発生するというものです。

カナダのマクギル大学のアン・J・ブラッド博士と、ロバート・J・ザトール博士らは、
『アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)』(2001年9月号)で、「素晴らしい音楽を聴いたとき感動すると、脳内の報酬系が活発になる」と発表しました。
博士らは、学生にラフマニノフのピアノ・コンチェルト第三番を聴かせて、脳のどこの部位が活動するかをPETスキャンという機械で調べました。
すると中脳、運動野、全部帯状回などが活発に反応することが分かったのです。
ちなみにこのとき、学生は首筋から背中にかけてぞくぞく感覚(チル反応)を覚えました。

-中略-

このチル反応が起こると、VTAのドーパミンニューロンが刺激され、脳の中でたくさんのドーパミンが作り出されます。作り出されたドーパミンは、セプタムにも働きかけますから、そこで大量にアセチルコリンが作られて、結果的としてシータ波が発生するようになるのです。つまりチル反応が起きれば、シータ波が高まるというわけです。

シータ脳を作る 人生を成功に導く脳波の出し方
東京大学大学院准教授 久恒辰博 著 講談社+α新書より引用


他にも人間は、素晴らしい映画やドラマ、綺麗な絵画を見たときや、
小説のような美しい文章や、誰かに言われた、さりげない言葉でも感動します。
そんなときにも人間は、チル反応が出るというのです。

もちろんチル反応は、主観的な反応ですので、同じ音楽や文章でも、
人によって起こることがあれば、起こらないこともあります。
同じ人でも、そのときの体調によって、起こったり起こらなかったりします。
ですから、偶然に左右されるものなのです。

わたしは、偶然に彼の曲を聴きました。
先ほども話したように、何がなんだかわからないけど、懐かしいような、
それでいて、切なく物悲しいという気持ちが湧き上がりました。
もう、一瞬で彼の曲に聴き入っていました。

そして気が付いたら、強いチル反応が出ていたというわけです。
後で詳しく調べてみると、この音楽家は、感情のおもむくままに、ピアノや
キーボードを演奏するという、まさに直感を重要視する方だったのです。


中北音楽の特徴
曲作りは、時代と共に革新的に進化しています。
昔は、マイクに向かって一発録りか、MTRといってカセットに複数のトラックを使った重ね録りという手法を使っていました。
しかし、時代は変わり現在の商業音楽の、ほとんどがパソコンのソフトウェアによる打ち込みと、録音済みの音を加工して作られていることをご存知ですか?

この手法の大きな利点は、音程を外すような楽器の演奏をミスしたとしても、何度も繰り返し録り直しをすることなく、音の外れた部分のピッチ(音程)を、簡単にしかも違和感無く正しい音程に変えることが、たやすくできる時代です。

例えば、音痴な人が録音した歌でも、ちょちょいとソフトをいじるだけで、
正しい音程で、しかも違和感の無い歌声にすることができるわけです。

他にも、生の演奏を録音して多少リズムが崩れてしまったりしたものでも、数テイク録音しておくことで、その中から最も良い部分だけを切り張りするだけで崩れたテンポを補正することができます。

ビートが重要なダンスミュージックや、ダブステップ系の音楽でしたら、
このテンポや音程は、なおさら重要ですので編集作業は必須です。
しかし、癒しを目的としたリラックス系の音楽に関して言えば、このように
機械で作り込まれた曲というのは、どことなく味気ないものです。

ところで、あなたは、作曲家、編曲家、指揮者、そして現役のピアニスト
でもある、久石 譲(ひさいしじょう)さんを、ご存知ですか?
映画音楽を中心に手掛ける。特に宮崎駿監督作品においては、『風の谷のナウシカ』以来、『風立ちぬ』に至る29年間全ての長編アニメーション映画の音楽を手掛けている。また、北野武監督作品においても、『あの夏、いちばん静かな海。』から『Dolls』に至る7作品の音楽を手掛けている。   久石譲 - Wikipediaより

わたしは、久石 譲さんのファンでもあるのですが、2001年に放送された『情熱大陸』 に出演されていたときに、ピアノで同じ曲を何度も何度も録音し、最終的に最も良かったテイクを採用したり、サウンドエンジニアさんに「あそこの部分、ちょっと強く叩きすぎたので、もうちょっと抑えることできるかな?」という風に、どんどん曲が完成されていく様子が放送されました。

ピアニストである久石 譲さんとエンジニアとの連携によって、どんどんクオリティーが上がり、完璧ともいえる曲が完成する過程は、とても素晴らしかったです。もちろん、この手法は現代では、至極一般的であり多くの曲が、こうして完成されています。

しかし、わたしが偶然みつけた、中北(なかぎた)氏は、まったく逆でした。
一発勝負というわけではありませんが、曲に魂を込めるという意味では、感情に身をまかせ、多少テンポが揺らごうが、音の強弱にバラつきがあろうが、おかまいなしに弾ききる、しかしけして乱暴ではなく、とても繊細です。
その音には、人間味が溢れ、機械的で無機質な感じはまったく感じられません。

その完全なる手弾きは、まさに血の通った人間が演奏しているということを
感じさせ、演者の感情がそのままストレートに表現されている感覚でした。
正直に言ってしまうと楽曲の中には「ミスタッチ?」と思われるような部分
までをも、あえてそのまま残しているともいえます。

もちろんデジタル時代ですので、録音は、アコースティックピアノだけではなく、
キーボードを使った演奏が主体ですが、最近の生ピアノの打鍵を再現したハンマー
アクションを使ったキーボードは、精細なタッチをみごとに表現してくれます。

このキーボードによる演奏の利点は、その演奏したデータを、MIDIという
音の長さやタッチの強弱までも忠実に記録してくれるところにあります。

このMIDIデータは、後でいくらでも編集することが可能です。
ミスタッチした音程や、素人では、まず気づかないような微細な音量も、
すべて後で修正することが容易に出来る便利なデジタルデータです。

ここからは、勝手なわたしの推測ですが、彼は、あえてそれをしません。
なぜなら、完璧を求めて音をいじることで失われるものを知っているからです。
音程やテンポを完璧にすれば曲のクオリティーが上がるのはわかっていても、
弾いたときの魂の想いともいえるものが、どんどん消えてしまうからです。

もちろん人には、それぞれ自分に合ったやり方があり、そのどれもが間違っているとは思いませんが、わたしは、あの強いチル反応が出たときの感触が、いまでも鮮明に残っています。
これは、彼の指から生まれる奇跡とも言える音楽だと思っています。

次のページは、『中北音楽は、こんな人に聴いて欲しい』です。 


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